夜勤のお医者様。

引っ越してきた新しい家に、
一緒に住んでいるハウスメイト、
アイルランド人でフィドル弾きのロレインが
先週末の真夜中近く、突然高熱を出しました。



基本的に十分健康なのだけれど、
鍼とか海藻スパとか、「体にいい」と言われることを試してみると
かならず反動がきて熱を出す、という彼女。



今回も、中国鍼の施術を受けてきた、
その日の夕方に発熱したから
きっと体が驚いたか何かしたのだと思います。



ともかく、熱でがたがた震える彼女を車に乗せて
大急ぎで町の病院へ車を走らせました。
折しも深夜の1時ころ。




ところが、8月最後の週末(しかも時間外)のせいか
ドクターたちもナースたちも、
人数が少ない上に不慣れな人が多いようです。
ロレイン掛かりつけドクターも、
あいにく夏休みをとっていて不在。



ああもう、こんなときに限って…と、やきもきしていたら
代わりに、この日だけ別の病院から出向してきたという
明るいオレンジ色の髪をした男の先生が、
私たちの前に現れました。
代勤だけど、この人がロレインを診察してくれると、
看護婦さんが言います。



でも、あれ…? 
なんとなく、この先生、どこかで見たことがあるような…?




すると、その先生が、私たちの不安な表情を察したのか
「ぼくはショーンといいます。ショーン・スミスです。」
と、フルネームを名乗ったのでした。




あっ!!!!と思ったのはその瞬間。
ロレインの体の震えも、一瞬だったけど止まったほど。
思わず2人で顔を見合わせて、
ばちばちっとものすごい目配せを送りあってしまいました。



ショーン・スミスって。
ルナサでフィドル弾いてる、あのショーン・スミス本人じゃん!
医者だったのか、この人!!




ロレインの診察が終わるのを廊下で待ちながら
うーん、天は人に二物を与えないって、絶対嘘だよなーまったく。
と、しみじみ考えておりました。(- -;)



確かに、特に最近では、凄腕の一流ミュージシャンが、
学者だったり弁護士だったりして、驚くことがあるけど
ルナサで医者とは。
うなぎと梅干、猫と小判、じゃなくて何だっけ、北風と太陽?
(←全部違う?)



とにかく、180度正反対の印象を与える2単語であることは確かです。




診察を終え、薬も処方してもらったロレインに
「ショーン・スミスに診察してもらった感想は?」
と訊いてみたら



「一生の記念だけど、かなり恥ずかしい」という答えでした。
薬の処方箋も捨てないそうです。
担当医師のサインが入ってるから。(笑)



8月(Lunasa)の終わりに、とんだ偶然のめぐり合わせ。
彼が次に来日したら、ぜひ舞台を眺めつつ
「あれで医者なのか…」と感嘆してくださいませ。(^^)