夏休み。

5日間ほど、スペインに行ってきました。





いやすばらしい。スペインは夏でしたよー。
もう、アイルランドと英国の夏を比べて、
こっちのほうがまだ少しあったかい、
なーんて言っていた自分のせこさに赤面してしまうほど、
文句なしに、100%、夏。



今回訪れたのはバスク地方、つまり北スペインだったのですが、
それでもばっちり暑く、日射しも強く、
日焼け止めを二度塗りしてサングラスをかけたほどでしたから、
南の地中海側なんて、今頃どうなっていることか。



本当に、母が電話のたびに言っていましたが、
地球って丸いんですねえ。




マーティンの友人夫妻がバスクのV村に住んでいるので、
今回はそのお宅を足掛かりに、
ビルバオへも足を延ばしてみました。





ビルバオといえば、観ずには帰れない必修スポットは
チタン・パネルの化け物・グッゲンハイム美術館なわけですが
あれだけでかい容れ物に、常設展・企画展を散らした中で
私が「おお、これはすばらしい」と心動かされたのは
たった3作家(4作品)しかありませんでした。



現代美術って、いまだに
玉石混交というよりもカオスですよね。
中には本当にひどいものもある。
どこの誰が無責任に「これは芸術だ」なんて言ったんだろう。



いいものは本当に新しい、これは表現としてすごい、
と感じるけれど
良くないものは呆れるほど良くない。
自己満足の最たるものを見せられている気分。



まあ、いいですけど。



それよりは、緑陰の中に、扉も窓も全部開け放して
町の人々も旅行者も、同じように気軽にもてなしてくれた
こんな一軒のバルのほうが
よほど、人々の心を支えてくれます。





芸術というのは、コンセプトはどうあれ、
また表現形態がどんなものであれ、
最終的に人を支えるものであるべきだ、と
今でも考えている私にとっては、



浅薄な「アート」なんて初手から目指していない、
こんな素朴なタイルの色合いや、
職人さんの無心な手作業の痕跡のほうが、
うっとりと見つめてしまうほど魅力的です。





こちらのタパスにもうっとり。
手前がアンチョビ、奥がサーモンのタパスです。





こんな場所でタパスとカフェ・コン・レチェをいただいていると
ここでは自分が一時の旅行者だということも、
言葉がぜんぜん判らなかったりすることも、
かえって心楽しく感じたりします。



ムイ・リーコ。(^^)