年の瀬ジングルベル。

今年も、怒涛のようにクリスマスが過ぎていきました。



毎年感じてうんざりしてしまうのは、
クリスマス前の買い物熱のすごさ。



それなりの理由があることとはいえ、ヨーロッパ、
とくにカソリック文化圏では
この熱が半端じゃなく高いような気がします。



まるで何かに追われるかのように、
ときには商品のクオリティも確かめず
次から次へと人がやってきては、
大急ぎで大量のプレゼントを買い占めていく、
と感じてしまうときすらあるくらい。




それを受けてか偶然か(まあ偶然ってことはないだろうけど)、
クリスマス直前の金曜日、という、
まさに怒涛の買い物ラッシュもピーク!の週末には
アイルランド全土で、
なんとクレジット・カード・システムがダウンしました。



あまりのアクセス数の多さに、
首都ダブリンのメイン・サーバがパンクしたのだそうです。




当然、うちのような小さな花屋でも、
「本日、カード使えません」サインを、
あわてて掲示する羽目になりました。





どれだけアクセス数があったのか、
想像すると怖いですよねー。 



当然、花屋にとってクリスマスは稼ぎ時です。
ドア・リース、テーブル用アレンジ、
キャンドル・スタンド・アレンジ。
それに加えて、お墓に供えるクリスマス用のリースを、
山ほど作るのが恒例になっています。



これは、アイルランドの古い習慣のひとつで
クリスマスにはご先祖さまのお墓にも、
過ぎ越しの祭を祝うリースを、
かならずお供えするのだそうです。




クリスマスらしい花材といえば、
もみの葉に松ぼっくり、ヒイラギ、たくさんの実もの、
赤と緑、金と銀、それにヤドリギあたりが定番といったところ。



中でも今年よく使ったのは、
イチー・ベリーという大きな実ものでした。





ぴんぴんと赤い実が枝から飛び出していて、
動きがあってかわいいでしょ。



イチー・ベリーは、その名の通り、
実の汁に触れると皮膚が痒くなるので
このあたりでは小学生同士の、格好の遊び道具でもあります。



道端でイチー・ベリーを見つけたら、
手近な木の幹や塀の上でさっとつぶし、
友達の背中(もちろん服の内側)に放り込むわけです。



この実が実る季節になると、3人も4人も一緒に
ばたばた背中を痒がりながら、それでもきゃあきゃあ笑って
走り過ぎていく小学生の集団を、ときどき見かけます。



子供のころ、草や木はこんな風に、
いつも身近な遊び道具だったんですよね。
いまの東京で、小学生くらいの子供たちは、
どうやって植物と遊んでいるのかなあ、と、
ふと考えさせられたりもします。




そんなクリスマスも近いある日、家に帰ったら、
ハウスメイトのロレインが
「いいもの買ってきたよーん。キッチン見てみて。」
と、うれしそうに笑いながら迎えに出てきたことがありました。



そこに待っていたのは、なーんと! 
我が家初の、クリスマス・ツリー!!





わーお!



「すごい、大きい、本物じゃん! どうしたのこれ?」
「買ってきたよ、もちろん。
 『我が家の』クリスマス・ツリー、だからね。ヤッター!」



うーん、なんというか、
誰も彼も子供みたいに楽しんでますね。



きっと日本では、大晦日にむけて、
もう数日、忙しい日々が続いているころ。



みなさま、どうかよい年をお迎えくださいませ。