コーゾー in オール・アイルランド・フラー。

先週末、アイルランド中央部にあるカウンティ・オファリーの
タラモアという町で行われた、
オール・アイルランド・フラー。



これに参加するため渡愛していた若手の友人たち、
コーゾーくん&まれかちゃんが
帰国前の忙しい日程をやりくりして、
島町に遊びに来てくれました。




「フラー」は、伝統音楽とダンスの大きなお祭りのこと。
年に一回、アイルランド国内のどこかの町で、
伝統音楽&ダンス好きな人たちが、
子供から大人まで千人以上も集まって
さまざまな関連行事に参加するという、
アイルランドの8月の季語に、採用されてもいいくらいの催しです。



ワークショップ、コンサート、ケイリー、楽器のリペア相談など
面白そうなイベントは引きもきらないけれど
一番の目玉というか、一番人々に興味を持って語られるのは、
やはりコンペティションかもしれません。




オール・アイルランド・フラーに先立って、4月から6月にかけて
アイルランド国内の全32カウンティ(県)が、
それぞれカウンティ・フラー(県大会)を開催します。



そのコンペティションで上位に入賞者した2人(1位と2位)が
続く7月に行われるマンスター・フラーやアルスター・フラー
(これは言ってみれば地区大会)に進むことができ、
さらにその地区大会で上位入賞した2人が
オール・アイルランド(全国大会)で競うことができる。
優勝者に与えられる称号は、
「オール・アイルランド・チャンピオン」!



というのが、コンペティションのだいたいの流れです。




コンペティションも、
まあカウンティ・フラー(県大会)くらいだと
このカテゴリーには2名しか参加者がいないから
2人仲良く地区大会に出てくださいねー、とか
3位の人もがんばったし、一緒に地区大会に行ってきなさい!とか
ほのぼの審査になることもあると聞くけれど



地区大会・全国大会ともなると、
さすがに出場者もきちんと選ばれてくるし、
審査だって厳しいのです。



そのオール・アイルランド・フラーに、今年、コーゾーくんは
初のアジア人、初の日本人コンペティターとして
フルートのシニア部門に出場したのでした。



何はともあれ、よく挑戦した! (^^)





今年は、フルート・シニア部門だけでも
15名を越えるコンペティターがいたそうで
待ち時間だけでくたくたになったという彼。



でも、初めて本選までやってきた日本人(アジア人)ということで
TVやラジオの取材も、いっぱい受けなきゃいけなかったそうです。
おつかれさまー。



上位3位までには、結果的に入らなかったと言っていたけれど
それでも十分がんばったと思います。




今年は、地元島町から、
ヴァイオリニスト・ユキちゃんもエントリーしたけれど
残念ながら、最下位で敗退してしまいました。



本人は、
「クラシックの世界で20年以上も培ってきたキャリアが
 なんで通じないんだろう、
 ほかの人たちより私のほうがずっとうまいのに、
 なんで私が1位じゃないの?」
と周囲の人々に訊きつづけて、ヘコんでいましたけれど。。。



いや、ユキちゃんのヴァイオリンはうまいよ! 
それは間違いない!



でも、フラーで行っているコンペティションの審査基準は、
もっと別のところにあるんだよ。たぶん。




コーゾーくんの場合も、たぶん、今後、
同じような問題にぶつかっていくと思いますが……。
でもまあ、そんなことも含めて、
よく来た、そしてよく参加した、うんうん!
と、彼の肩をぱんぱん叩いてしまいました。




あと今回、実は、まれかちゃんのフィドルにも驚かされました。



まれかちゃんの演奏をちゃんと聞いたのは初めてだったのだけれど、
なんというか、すごくいい感じなのです。
リズム、ボウイング、音色…。
どれも、「いわゆるトラッド」というスタイルではないけれど
奏でられる曲の印象が、とてもきれいでかわいらしい。



花が咲くようなフィドル。というのが近いかな。



おかげさまで、いいもの聞かせていただきました。感動〜♪
私も、もっとやらなきゃいかんです。



審査員の先生方からも、
「2人とも、来年、必ずまたエントリーするように」
と言われたという彼ら。



来年が楽しみです!
来てくれてどうもありがとうー。