雪だるまの美学。

雪だるまはかわいい。 ――と、思いませんか?



昔、というか、まだ日本にいたころ、
NHKの天気予報に使われる「雪」のアイコンが、
降り積もる雪を目で追う、
かわいい雪だるまだった時期がありました。



はらはらと降る雪を見つめ続ける、そのつぶらな瞳と、
まるでなにかの話に頷いているかのように見える、
かすかな動きが絶妙で
「うなずき雪だるまさん」と勝手に命名して、
東北から北海道にかけて雪だったりした日には、
おおぜい出現して、同じリズムでうんうんとうなづき続ける彼らを、
思う存分鑑賞したものです。




せっかく、この島にも積もるほどの雪が降ったので
さっそく雪だるまを作って、門柱の上に載せてみました。





にまー。



ところが、絵心がないというか風流を解しないというか、
友人コリンのお母さん・マーガレットをはじめ、
この島のひとたちはみな、
鼻でせせら笑うではありませんか。



「これがスノーマン? こんなの違うわよ、小さすぎるわよ。
 スノーマンっていうのはね、人の背丈くらいあるものなの。
 そして胴体も入れて雪玉は3つ。鼻にはにんじんを使う。
 鼻のないスノーマンなんて、スノーマンに見えないじゃない。
 胴体を作るときは、こうして雪球を転がして大きくしていくの。
 ほら、よく見て、こうするのよ! こうして転がすの!」




そんなこと言われたって、そうじゃないんだよー。
そんな「スノーマン」を作りたいわけじゃないんだい!と、
心の中で反抗する私。



スノーマンなんて、ガキっぽいうえにバタくさくて、
わざとらしくて、やっていられない。



これは「雪だるま」。
そして、雪だるまだからこそ雪に似合うのです。



作ろうと思えばスノーマンくらい作れるけれど
そんなものを作ったとて、何になるというのでしょう!



・・・まあ、そうは言っても誰も理解してくれなかったから、
こうしてブログにつづったりしているのですけど。A^^;




面白かったことには、2日後くらいにL大学へ行ったら、
中庭に、ちょっとシュールな雪だるまが溶けかけていました。





これはこれでまた、佳い!!
なんにせよ、独創性とか、創造性とかいうものは、
ステレオタイプなコピー品を作ることより、
千倍も貴いじゃありませんか。



そんなわけで雪に乗じて、
オリジナルな雪だるま探しに没頭しています。
求ム、愛すべきオリジナルな雪だるま!