セットダンス・エキシビション。

8日の木曜日は、タラCBのケイリーに参加する前に
公民館で行われていた、
セットダンス・エキシビションに行ってきました。



WCSSでは、期間中毎日、
公民館で楽器ごとのリサイタルが行われています。
月曜日はフィドル・リサイタル、
火曜日はフルート&ホイッスル・リサイタル、
水曜日はパイプ、木曜日はアコーディオン、
そして金曜日はコンサーティーナ…という具合に、
WCSSの講師陣をはじめ、トップ奏者が次々に曲を聞かせてくれるわけです。



全部のリサイタルを真剣に聞こうとしたら、
三日と経たずに頭がふらふらになります。本当だよー!(笑)



特にフィドル・リサイタルは、
スタイルといい選曲といい実に多彩で、
しかも出演者全員が、呆れるほどうまいフィドラーばかり。
かつて、コンサーティーナ奏者のゆうじさんが
「1000本ノック」と名づけた通りのリサイタルに、
毎年なるのでした。



ただ、木曜日のセットダンス・エキシビションだけは、
少し趣が違います。
WCSSのクラスに参加している受講生たちが
一週間の成果をステージ上で披露し、
その合間に講師が踊る、という構成になっていて、
全体的にほのぼのと、みんなで楽しみましょう、という感じ。



正直に言うと去年までは、
「受講生の発表会なら、まあ見なくてもいいや」くらいのつもりで
セットダンス・エキシビションに足を運んだことは
一度もなかったのですが
今年初めて行ってみたら、それはそれは雰囲気が良かったので
ああこれはおもしろいものを見た〜、と、素直にうれしくなりました。





講師陣のパフォーマンスは、楽器系と同じく、
呆れて口がぱっくり開いてしまうほどうまいのですが(笑)、
その合間合間に受講生のパフォーマンスが入ることで、
「ダンス自体を楽しむことが大事だよ。さあ踊ろうよ。」と、
あたたかく誘われているような気持ちになるのですね。
楽器系のリサイタルに比べたら、会場の緊張感がぜんぜん違う。



このあたり、ずっと司会をしていらっしゃるという、
講師マイケル・タブラティさんのお人柄によるもののような気がします。



日本から毎年参加している友人たちのパフォーマンスも、
すでにプログラムの常連として数えられているらしく、
オールド・スタイルあり、シャン・ノースあり、セットありと
彩りよく、テンポもよく、楽しませてもらいました。



あ、今年は伴奏で参加した人もいました。
言わずと知れたフエ奏者ですが。(笑)






プログラムの中には、日本から来たダンサーのみなさんで踊る
プレーン・ポルカ・セットというのもありました。
知らなかったのだけど、
これももう毎年恒例になっているのだそうですね。



今回は、コーゾーくんが演奏で参加していたこともあって
私も便乗して、ポルカ・セットの伴奏をやらせてもらいました。



会場で観ているほかの受講生たちから送られる、
「がんばれ、がんばれ」という、声にならない声援、というか
同志への励ましみたいなものが感じられて、
それだけでへらへらと笑えてしまうステージでした。
なんだかとても楽しかった!(^^)




今回おやまさんに話を聞くまで、
私はぜんぜん知らなかったのだけれど
プレーン・ポルカ・セットというのは、
リールで踊るプレーン・セットの、
原型になったセットなのだそうです。



それをクレアの古いスタイルで踊ってみせる、つまり、
「すり足で、スムース・ステップで、しずしずと踊る」というのが
WCSSの、日本人ダンサーによる、
毎年恒例のパフォーマンスなのだとのこと。



つまり、ダンサーさんたちにしてみれば、
「今はもう踊られていない、クレアの古いスタイルを
 日本人ダンサーたちが受け継いで踊っている」
というところに、
毎年同じセットを観せ続けることの、意味とプライドがあるらしい。



なのに、観ている人たちからは、毎年、
「すばらしい! 東洋と西洋の文化の融合!
 まじめに、きっちり、音を立てずに踊るスタイルが実に日本的だ!」
などと、見当違いな絶賛をもらってしまうんですって。



まあ…、さもありなん、という気はします。A^^;
たとえば、おやまさん、ミヤモトさん、あゆちゃんといった人たちが
すばらしいダンサーであることをちゃんと知っていて、
かつ、彼らからも、えなさんからも、事前に
「これはクレアの古いスタイルのダンスでね」
と解説を受けていた私にすら、
「まじめにきっちり踊る日本的セットダンス」
に見えましたから。(笑)



だって本当にそう見えるんだもーーーん。



でもそのあとで、アメリカから来たという、
80歳くらいと思われる白髪のおばあさまが
(それでもWCSSのセットダンス・クラスに、
受講生として参加していました。びっくり!)
「そうよ。そうなのよ。私が子供のころは、みんな、
 あなたたちが踊ったように、
 音を立てずスムースに、エレガントにセットを踊ったのよ。
 なつかしいわ。そして、すばらしいわ。
 少女時代を思い出したわ。」
と、わざわざ言いにきてくださって、
それもまた感動の一幕でした。



ダンサーのみなさん、
参加させてくださって本当にありがとうございました!