注目の蛇腹奏者。
WCSSで、もうひとつ忘れられない話題がありました。
おそらく、音楽活動はほとんどしていないと思われる、
注目の、新進気鋭の、すばらしいアコ奏者に出会ったこと。
しかも日本人!です。
その人の名前はミヤモトさん。(笑)
言わずと知れた日本一のセット・ダンサー(gents)ですが
実は今回、アイルランドまで、
愛用のアコーディオンを持ってきていたのですね。
別にワークショップを受けるでもなく、
アコ奏者としてセッション・デビュー!などと気負うこともなく、
ただ「毎日少しずつでも触ろうかなーと思って」、
ぽいっと荷物に入れてきたのだそうです。
(でも、せっかく持ってきたのに、B&Bでちょっと弾き始めると
「うるさい!」と、あゆちゃんに止めらるとのこと。(^o^)ウケるー。)
さて、持っているなら聞きたいじゃありませんか。
友だちが演る音楽というのは、いつでも、どんなときも、特別なもの。
「聞かせて!」とお願いせずにはいられなくなってしまうのです。
かくて、冷たい海風が吹きすさぶ屋外の、
しかもB&Bの玄関前というシチュエーションでありながら
ミヤモトさんはアコを披露してくれたのでした。
そんで、これがまた上手い!! いやほんと。
あ、いや、あの、華麗に自在に弾きまくる、トニー・マクマホンや
マーティン・オコナーのような演奏を
想像されると困ってしまうのですが、(笑)
なんていうんだろう、音の暖かさがすばらしいのです。
あとリズムの安定具合。
「ダンサーだからリズム感がいい」なんて幻想が、
通用しないことは百も承知ですが、その上でなお、
ケイリー・バンドでドラムを叩くエーデン・ヴォーハンといい、
このミヤモトさんといい、
傑出したダンサーは、やはり傑出したリズムの安定感を見せますね。
そういえば、「傑出したリズムの安定感」ということになったら
欠いては語れないコンサーティーナ奏者のメアリー・マクナマラ。
ミュージシャンとしてあまりにも有名な彼女ですが
彼女が踊るセット・ダンスの、かわいらしさとリズムのすばらしさも、
なかなか話題に上ることがありません。
一流のリズムというのは、やはりその人の中に存在するのだなーと
しみじみ感動してしまった一幕でした。
ミヤモトさんは、ご存知のようにものすごい照れキャラなので、(爆)
演奏は途中から、
「演奏するというパフォーマンス」に代わってしまいました。
ドラゴン・ボールかっつの。(笑)
そして、そんなミヤモトさんをダシに、
けらけらと笑う、あゆちゃんとえなさん。
いい光景ですね。
これぞ友の楽しさ、おもしろさ。(^^)
ミヤモトさんがアコの演奏を始めたばかりの数年前
(もう何年前か覚えていない)、
初めて弾けるようになった曲だといって、
ワルツを聞かせてもらったことがありました。
そのとき、彼は、アコーディオンを上下逆さに構えていたのです。
ああ、あのとき私が反射的に、
「ミヤモトさん、それ上下逆だよ」と言ってしまいさえしなければ…。
日本に、「自然と上下逆に構えて弾くようになった」、
見事なアコ奏者が誕生していたでしょうに。
二度とないかもしれない、そんな貴重な機会を、
不注意で潰してしまった私としては、
内心忸怩たるものがありながらも、
今のミヤモトさんの演奏に、感嘆することしきりでした。
だって、本当に上手かったのです。
東京で、アイリッシュのミュージシャンとして長年活動している人でも、
ミヤモトさんほど音楽らしく(←ここが重要)弾けない人を、
すぐに何人も思い出せるくらい。
踊るようなフレージングや、明るいトーンの音、安定したリズム。
何より、音自体が踊るように楽しく、あたたかい。
私がいちばん好きなアコ奏者のジャッキー・デイリーも
音自体の明るさと楽しさでいったら世界一です。
こういうアコは好きだなあー。
さすがだわー。
ぜひ、来年もアコを持って来てほしいものだと思います。
そのときは一緒に音出ししようね。
あゆちゃんも一緒にねっ。(笑)