キッチン・セッション in ブリストル。

ブリストルでの宿泊先は、グラハムが紹介してくれた
フィドル弾きセーラのドリーム・ハウス。(^^)



セーラとは今回が初対面だったのですが
「コンサーティーナを弾く友だちがロンドンから来るんだけど、
 宿泊先を探しているんだ。週末だけ泊めてもらえないかな?」
とグラハムが尋ねたとき、セーラが
「あらすてきね。いいわよ。
 ついでに、うちで日曜の午後にセッションしない?」
と即答してくれたそうで、
なんだかあっという間に、
宿泊先とセッション場所が決まったのでした。



音楽をやっていて、心底すごいなと感じるのは、こんなときです。
人とのつながりがあり、仲間意識があり、輪が広がっていく。




そんなセーラの家は、
ブリストル市内を一望できる高台に建っています。



4階・屋根裏部屋に泊めてもらった日曜の朝、
カモメの鳴き声に起こされて思わずブラインドを開けた窓からは
夏の終わりの、透明な空気に満ち満ちた街が見渡せました。





雨だった土曜日とは打って変わって、今日は上天気。
さっそく庭に出て太陽を浴びます。





大ぶりのアガパンサスや秋明菊が咲きそろって
この庭も、終わりゆく夏を惜しむかのような美しい佇まい。



庭の一隅には大きなプラムの木があって、
摘みきれないほどのプラムがたわわに実っていました。
言われるがままにもいで食べてみると、
実に自然な甘さとやわらかさ。





ロンドンよりずっと豊かな暮らしが、
ここにあるように感じてしまうのは
私が東京から来た人間だからでしょうか。




午後になると、
セーラとグラハムの友人である音楽愛好者たちが
楽器を持って三々五々集まってきました。



集まった面子を見ると、「ミュージシャン」というよりは、
やはり「音楽愛好者」と言ったほうがしっくり来るような人達ばかりで、
それは本当にうれしいことなのです。





家主のセーラ(フィドル)と、
生後6ヶ月の赤ちゃんを連れて参加してくれた、バンジョーのジェズ。



ジェズは、普通のタオルをぽん、と肩にかけて軽く隠すだけで
人前でも実にスマートに授乳する方法を見せてくれました。



うーん、クールなやり方! これはカッコイイ!
と思って覚えたけれど、
いつか役に立つときが来るかなあ。(笑)





それから、セーラの旦那様ピート。
彼は、セーラがフィドルを弾き始めたので、
それなら、とギターの練習を始めた愛妻家です。





グラハムは、今日はアコーディオンで参加。
フィドル、マンドリン、バンジョー、コンサーティーナと
いろいろな楽器を弾く彼を見てきたけれど
アコーディオンを見るのは初めてです。(笑)





そして、セーラの自家製レモネードを楽しむマーティン。(^^)
バウロンとホイッスル、さらにウクレレを弾いて歌も歌う彼。
グラハムと同じくらい長い付き合いで、
音楽がなくても楽しくつきあえる仲間のひとりです。



午後2時くらいから始まったハウス・セッションは、
たくさんの手料理やワインやビールをはさみながら、
夜9時くらいまで続きました。





友だちって大事だなーと、改めて思うこんな夜。
音楽ってすごいなーという思いも、改めて昇ってきます。



お金のためでも名声のためでもなく、
友だちとつながるために、一緒に楽しむために弾くチューン。



うん。
私が作っていきたいのは、
やはり、そんな音楽だったりするのでした。