縦笛吹きの登場。

アイルランドで暮らし始めたころから、
いつか遊びに来てくれたらいいな、
こっちで会ったら楽しいだろうな、と
考えている友だちが何人かいるのですが
その中のひとり・おだっちが、
いよいよアイルランドにやってきました。(^^)



おだっちといえば、言わずと知れた
「ディア・リトル・シャムロックの管理人」。
誰かに紹介するにしても、その一言で話が通じるので
とても便利な有名人です。



私にとってのおだっちは、今でもやはり
「ホーンパイプの踊り手」という一言に尽きるのですが
もう以前ほどは踊らなくなって、
代わりに縦笛に専念しているとか。



前々からぜひ一度お会いしたかった、
造形作家である奥さんも今回は同行されていて、
こちらは思わず
「大ファンです! 握手してください!!」という勢いで
お二人の旅路に、お邪魔して参りました。A^^;




島町に滞在する2日目の夜には、
そろそろ旅の疲れが出るころだということも、
奥さんは音楽にあまり興味がないことも承知しつつ、
夜中にミルタウン・マルベイまで出向いてセッション。A^^;



別に、島町内のセッションでもよかったんですけど、
どこのセッションに行こうか、候補をあげて探しているうちに
いつの間にかそこへ行く話になっていたわけです。



このセッションのホスト役は、
アコーディオン奏者のジャッキー・デイリー。





螺旋を描くようなフレージング、彼の愛するスタンダードな選曲。
アコーディオンのポテンシャルを、あくまでトラッドのやり方で
それでも最大限に引き出す演奏。



大御所の中でも、誰が伝説だとか、
どの録音がすばらしいとか、
比較検討に花を咲かせる向きの方もいらっしゃるかもしれませんが、
なんかジャッキーを見ていると
「いやあ、そんなのはもう、どうでもいいんじゃん?」
と思えてきてしまう。



すごいものは、すごい。以上!――と言い切ってしまえるほどの
水準の高さと面白さが、彼にはあるのでした。



個人的には、セッションでのジャッキーの選曲も、わりと好き。
スタンダード過ぎず、かといって新しいチューンは取り入れず、
古くても耳心地のいいスライドやワルツを、
たくさん演奏してくれるからです。



縦笛奏者を連れて行ったこともあって、
「おお、よく来たよく来た!」と歓迎してもらい、
席もさりげなく作ってもらいました。ジャッキー、ありがとう!






おだっちはおだっちで
「俺どうしよう、すげえ緊張する」
などとぶつぶつ言いながらも
ジャッキーのド正面、まっすぐジャッキーに向きあう姿勢で
ロー・ホイッスルを演奏してくれました。



いや、さすがおだっち、
「通勤鞄には笛と楽譜しか入っていない」と言われるだけあって
いい音出しています。
指の動き方に、クラシックの奏者にはあり得ない幅があって、
それが彼のダンスを彷彿とさせるところなんかも、ちょっと感動。
やはりトラッドはこうでなければ。



おかげさまで楽しい一夜でした。(^^)



奥さんは、もしかしたらだいぶ疲れていたかもしれないのに、
最後まで楽しそうに聞いていてくれて、
これも本当にありがたかったです。
セッションって、奏者だけで作るものじゃないですものね。




最後のセットまできっちり参加して、
島町に帰って来たのが1時半。
遅くまでおつかれさまでしたー。