Trad for Trocaire

9月の終わりには
「Trad for Trocaire」という催しがあります。



「Trocaire」というのは、
たとえばハイチの地震やパキスタンの洪水など
海外の人たちに対する支援活動を行う目的で
アイルランドのカソリック教会によって
1973年に設立された団体です。



毎年9月最後の週は、国内のトラッド・ミュージシャンが
Trocaireの趣旨に協賛する一週間、という趣向になっていて
首都ダブリンはもちろん、アイルランド各地で
募金を謳ったセッションが行われたり、
ミュージシャンがボランティアで演奏するケイリーが
開かれたりするのです。



今回行ってきたのは、そのセッションのほう。





一応、大義名分がある集まりなので、
まがりなりにも楽器を持っているミュージシャンは
不義理を働かないようにせっせと集まってきて、
上手な人も下手な人も、文句も言わず一緒に演奏します。
それが、見ていてちょっと面白い。(笑)



西クレアの「ミュージシャン」の面々は、
こうして珍しく一堂に会してみると
老いも若きも、上手も下手も、
まさに玉石混交という感じでした。




GとDのコードしか弾けないのに、
AだろうがEmだろうがお構いなしに掻き鳴らす
目立ちたがりのギターのおっさんから
この人、実はメアリ・バーギンより
ホイッスル上手いんじゃないだろうか、
なんてことを思わせるようなフルート&ホイッスルの名手まで。



いろんな人がいるなあ・・・と、しみじみ思います。
中には「ミュージシャン」とは
お世辞にも呼べないような人もいるのだけれど
きっとそれは、トラッドと呼ばれる音楽が常に内包している
良くも悪くも切り離すことのできない、
厚みというか、土壌というか、
結局は底力のようなものなのかもしれません。




そんな面子の中で、今日一番の主役はクイヴァ。
クイヴァは今年、8月のオール・アイルランド・フラーの
アコーディオンU18の部(16〜18歳)で、
見事、オール・アイルランド・チャンピオンを勝ち取った女の子です。





優勝トロフィーまで持ってきてくれて、拍手の中でソロ演奏。
パブはすっごく盛り上がりました。(^^)




あ、そうそう、みんなが着ている青いTシャツは、
この日、ミュージシャン全員に支給になったものです。



私も1枚貰ったけれど、
「ボランティアで(人を助けるために)演奏しています」と
宣言しているかのようなこのTシャツは、
アイルランドで着るにはさすがに恥ずかしいので(笑)
引き取ってくださる日本の奏者の方がいらしたら進呈します。
Sサイズですけど。ぜひ。(^^)