さらば愛しのパル。

さて、ひっくり返ったあと、
一度ガレージに引き取ってもらった私の愛車・パル。



引き取ってくれた段階から、ガレージのおじさんは
「ああ、これはもう駄目だなー」
と、当然のように言っていたのですが
後日、車の中に置いてあった荷物を引き取りに行ったとき
スクラップ工場に送られる前のパルと、
今一度「ご対面」してきました。




こうして改めて見てみると、
なるほど、ボンネットはスピンした時の擦過傷だらけです。





フロント・グラスもひび割れて、屋根はさらにぼこぼこ。





車の後ろ側にも、無数の擦り傷と凹みがついています。





ドアもぼっこり。
そういえば、運転席のドアを開けて外に出ようとしたとき
なかなか開かなくて、何度も押したり引いたりしたのでした。





運転席の窓と助手席の窓は完全に割れて
サイド・ミラーもごらんの通りです。






この車体が、事故の衝撃をそのまま写し取っているようで、
写真を撮りながら何度も、
「あああー、パル、ごめんねー」と、車をなでてしまいました。



だって、車体はこんなにぼろぼろなのに、
中に積んでいた荷物は、すべて無傷で戻ってきたのです。



運転手である私自身が無傷だったことはもちろん、
布製のバッグに入れて助手席に置いてあったラップトップも、
ダッシュボードに入れてあったサングラスも、
前回のドライブで買ったりんごジュース(ガラス瓶入り)も、
トランクに放り込まれていた陶器のうさぎの置物も、
すべて何事もなかったかのように無傷。



ただ、車だけが廃車になりました。




なんていい車だったんだろう。



96年製だから、もう15歳、
「古い車」と分類される型ではあったけれど、
私がこんな事故を起こさなければ、あと10年は余裕で乗れたでしょうし、
走行距離もまだ10万キロちょっと。



なにより、中のものたちをきっちり守ってくれたのです。
きれいで、安全で、乗っていて楽しい、とてもいい車でした。



大事な車だったのに。
本当にごめん、パル。
長い間、どうもありがとうね。