ダンス三昧の週末。

縦笛吹きのおだっちと同じく
「アイルランドで会ったら、絶対楽しいだろうな」と思い続け、
いつか来てくれるのを楽しみにしていた
シャン・ノース・ダンサーのコニタンが、
いよいよ島町にやってきました。



コニタンは、何年か前、たしか2006年に、
一度ミルタウン・マルベイで会っています。



そのときも、近くの村に住むシャン・ノースの名ダンサーを
家まで一緒に訪ねたりして、
なかなかディープな時間を過ごしたのですが、
今回の渡愛目的もまた、「観光は二の次、ダンス優先」という
なかなかストイックなもの。



ちょうど、ウエスト・クレアの中でも
かなり西に位置するDという村で
音楽とダンスのフェスティバルが開催されていたので、
行ってきました。





折りしも、午後一杯ホールに篭って
ダンスのワークショップを受けてしまうには
ちょっともったいないくらいの上天気です。



このD村のフェスティバルで
シャン・ノース・ダンスを毎年教えているスザーンには、
コニタンが来ることをあらかじめ伝えておいたので
彼女も「タカ!一緒に踊りましょう!」と、
最初からお友達モードで迎えてくれ、
つられて私も、生まれて2度目の
シャン・ノース・ダンス・ワークショップを受けてしまいました。(笑)




スザーンは、その軽快な踊り方もさることながら
教えることが大好きで、しかもとても教え方がうまいダンサーです。



いわゆる「注目度抜群」というような踊り方ではないのですが、
聞こえてくる靴音がとても明るいトーンで、
いつまで鳴っていても気持ちいい。
彼女の笑顔、周りの人たちを幸せにするさりげない気配り、
スザーンが踊り始めたら、それだけでみんながわっと湧くのも、
納得のダンサーなのです。




派手なフリや押しの強さで
人々の注目を求めるような踊り方に対する
アンチテーゼのような、なめらかで自然なダンス。



コニタンもまた、
音楽について真剣に考えているダンサーの一人なので
二人はたちまち意気投合していました。



そのコニタンの、シャン・ノース・ダンス・パフォーマンス。(^^)





これを受けて、地元の小さな女の子たちが、
ブラッシュ・ダンスを披露してくれたり





おじさんが、いかにもおじさんらしい
シャン・ノースを披露してくれたりしました。






コニタンが「いいダンサーだ」という噂は、
風のようにD村中に広まり、
なんと地元のラジオ局が取材まで申し込む始末に!
コニタンはスザーンと一緒に、キルキー放送にいきなり生出演して
西クレアでの地名度を、一気に上げておりました。(^^)




夜はもちろんパブでダンス。





踊り終わったとき、パブはまれに見る喝采の嵐!
大歓声の中、コニタンは周りから次々に握手を求められ、
同行していた私まで、ずいぶん誇らしい思いをしました。



夜の12時を過ぎてから、ほかのパブにいたスザーンが入ってきて
パブの中はふたたび熱気に包まれます。



パブ中の人たちのリクエストに応えて、
この日、D村にいたシャン・ノース・ダンスの名手たち、
スザーン、ステファニー、クレアの3人娘にコニタンが加わって
さらに一大パフォーマンスが披露されたりして。





このチューンが終わったときの、パブを揺るがした歓声たるや、
小さいD村の反対側からでも、聞こえたに違いないくらいでした。




ダンスと言っても、いろいろです。
音楽ももちろんそうなのだけれど、
誰かがパブでダンスを披露したとしても
人々が本当にそのダンスを楽しんでいるのか、
それとも遠くから来た人のパフォーマンスだからといって
気を使って盛り上がり、拍手しているだけなのかは、
慣れてくると本当に判るようになる。
反応が、似ているようでぜんぜん違うのです。



その反応こそが、
いいパフォーマーを育てていくのだと思うのですけれど。



この夜の人々の歓声は、間違いなく後者でした。
かなり眠かったけれど、去りがたくて、
朝の2時までD村にいてしまいました。
ダンス三昧の週末の幕開けです。