ちょっと親バカな話。

先日のコンサートは、形式上、
応用言語学科日本語セクションと音楽学部の
共同開催という形をとっていましたが
それとはまったく別に、学生たちが、誰にも何も言われずに
自発的に始めたイベントというのもあって
これがまたよくできていて、
思わずほろりとさせられてしまいます。




中心になっているのはもちろん、日本語を勉強している学生たち。



手始めに、企画の第一弾は日本映画の上映会です。
管財課にかけあって会場を確保し、手持ちのDVDを持ち寄り、
ポスターを作って大学中に貼って歩く。





急ごしらえにしては、このポスター、
とてもよく出来ていると思うんですけど
これは、いわゆる親バカというか、
贔屓目に見てるっってことでしょうか…。




次に彼らが始めたのは、
折鶴を作って売るというファンド・ライジング。





これも、折り方を知っている学生が他のメンバーに教えたり、
日本人留学生に教えてもらったりしながら
みんな自分たちで作って、場所も確保して売っているものです。



大きい鶴は2ユーロ、小さいのは50セント、
値段に円も表記されていて、
しかも筆ペンで書かれているあたり、
(↑いったい筆ペンはどこから手に入れたのだろう)
少しでもアピールしようという彼らの心意気が見えて
なんかぐっと来てしまいました。



こういう箱を言語資料室のカウンターに置かせてもらったり、





学食の入り口にブースを作って売ったり。





実際に彼らが何をやっているのか、私も知らされていなかったので
たとえば、たまたま出向いた図書館の入り口で、
キャンペーンを張っている彼らに偶然会って驚く、
なんていうことも、一度ならずありました。




そのうち、1ユーロ払うと書ける
メッセージボードなんていうものも出現。





「だから、小さい『つ』を入れろよ…」と、
心の中で突っ込みを入れつつ、
それでも日本語で書こうとしている彼らに、また感動です。



構内のあちこちに置いた募金バケツも、
週末ごとに回収して計算しています。






うちの学科に在籍している学生のうち、企業研修や留学で
いま日本に滞在しているのは、全部で17人。
卒業して日本で働いている卒業生も、何人かいます。
幸いなことに、私の知る限り、誰も怪我をせずにすみましたが…。



でも在学生にだって、
秋には日本に行く予定にしていた学生が何人もいるのです。
毎日、新聞やインターネットを読んで、
とても歯がゆい思いで、日本のことを話しています。



学生はみんな、日本のことをとても身近に感じている。(> <,)



静かで大事な日常が、早く戻ってきますように。