交通事故防止キャンペーン。

今週、L大学のキャンパス内で、
交通事故防止キャンペーンが行われています。





メッセージはずばり、「落とせスピード、落とすな命」。
なんだかんだ言っても車社会のアイルランド農村部、
残念なことだけれど
交通事故、特に20歳前後の若者による事故は後を絶ちません。



まあ、アイルランドの道路事情・運転事情を知っている方なら
誰でも、「そうだよね、あれは危ないよね」と
感じると思いますが…。A^^;



なんて書いている私も、決して他人事じゃありませんね。
(って、もう「若者」ではないけれど)
その節はご心配をおかけしてすみませんでした。m(_ _)m




若年層に特に多いのが、スピードの出しすぎによる事故なので、
このキャンペーンは非常に具体的で、
スピードの怖さに焦点をあてています。




まず、何の説明もなく、キャンパスのあちこちに配置される事故車。





な、なんだこの車!という感じで、
キャンペーンの場所まで行かなくても、キャンパスを歩いているだけで、
「うわあ…」という気がしてくる、というわけ。




広い野外スペースを使って行われる、当のキャンペーン会場では
「事故の実態」を知らせる写真展や、
ショートビデオの上映をしています。



このビデオがまたよくできていて、
(スピードの出しすぎで事故を起こし、
障害を負った青年のインタビューや
交通事故処理の部署に勤める警察官が、
本気で訴える事故の怖さなど)
気軽に見てしまうと、涙が止まらなくなるような番組です。



それに加え、レスキュー隊が
いかにして悲惨な事故現場から怪我人を助けるか、という、
本格的なデモンストレーションも行われます。



学生が4〜5人、「パブで飲んだあと運転してしまった人」や
「その助手席に乗った人」
「巻き込まれた通行人」などの役割を与えられ
デモンストレーション用の事故車の周りに配置される。



それをレスキュー隊員が、
本物のレスキュー車を使って救助していくのです。
車のフレームを切り、フロントグラスを叩き割って
中の人を引っぱり出したり、
心肺蘇生装置を使って必死の救助活動をするも、
助けられない、という結末が待っていたり…。



こ。。。。こわーーーーい!!!



本物の事故ではないと判っていても、
実物を見ることのショックは大きく
なんだか足が震えてくるようで、
これなら夏休み中の学生の事故も、少しは減ってくれるのではないか、
少なくとも私は安全運転をしよう!! と、
決意を新たにするようなデモンストレーションでした。




さて、そんなドキドキの後で授業に行ったら
なんと学生が一人、文字通り血まみれで教室に入ってきました。



「ディアドラ!!! どどどどど、どうしたの!!! 
何があったの!?」



「あーー、いえ、あははは、
 さっきデモンストレーションに参加してきたんですぅ」





左のディアドラは、
酔っ払って事故を起こして運転席に閉じ込められた役、
右のパヴェルは、路上で死んでいる人の役をやったらしいです。



そして、おもしろいのでメイクを落とさず、
そのまま教室にやってきた、とのこと。



た、頼むよ、おい…。
びっくりしたーーー。



彼女は、せっかくの特殊メイクだから、
家に帰って親に見せるんだと喜んで
結局その日一日中、血まみれのまま授業を受けて行きました。
(もちろん血まみれのまま、
バスに乗って家に帰ったものと思われます。)



帰宅した彼女を一目見た親御さんの心境を、想像するだに…。f^^;



頼むから、ちゃんとキャンペーンの主旨を実行してねー。