古い森のブルーベル。

先日、河原町近くの、
マーティンの生まれた森に遊びに行ったら
ようやく、今年のブルーベルが咲きそろっていました。





ブルーベルが咲くと、
ようやく春が安定してくれたような気がします。



だって考えてみたら、去年
「ブルーベルがいっせいに咲いて、森がとってもきれい」
と書いたのは、たしか4月の末じゃなかったかしら。



それもそのはずで、今年の春は英国南西部一帯、
とても寒かったらしいです。
ウェールズのカーディフでは、
4月が300年ぶりの寒さ+雨の多さだったとか。



確かに、英国に引っ越してきて以来、
水仙やクロッカスはもう咲いたのに、
なかなか春らしくはならないなあ、やっぱりここでも雨は続くなあと
感じていたころが、確かにありましたよ。はいはい。



ただ、それでもちょっとやはり
「へ? なに、あの程度の雨が問題だったの? 寒いって、あれが?」
なーんて、つい思ってしまうのは、
アイルランドに比べたら、このくらいの雨は屁でもない、
と断言できるからです。



アイルランドって、本当に世界のはしっこにあるんだなあと、
なんだかこんなことで、改めて実感。






それにしても、この一面のブルーベル。
これもやはり、見るたびにうれしくなる光景のひとつです。



青というより、可憐なうすむらさき色をしていて、
森全体が、なんとなく甘やかな香りに包まれているよう。





そして、足元のブルーベルとコントラストを成すかのように
いっせいに芽吹き始めた木々の若緑も
いかにもつややかで、浅く新しく、
この季節にしか存在しないような色なのでした。




「ああ、きれいだなあ。今がいちばんいい季節だなあ」と
毎日感じながら暮らしていけるのは
それはそれで素晴らしいことなのだけれど、
なんというか、もう、ぐんぐん季節が進んでいってしまうのが
本当にもったいないくらい。



もう少しゆっくり、
毎日ちょーーーっとずつ花の数が増えていくような
ゆっくりとした春から初夏への日々があって、
その分、冬がもうちょっと短かったらいいのに。



って、無理かそれは。単なるわがままか。A^^;



想えば桜も、今か今かと心待ちにして、
二分咲き、三分咲きのころを心うきうきと楽しんだと思ったら
ぱーっと満開になって、ぱーっと散って、あっという間に花吹雪。
そういう意味では、似ているのかもしれません。



春というのはきっと、
そういう季節なのだね。うむうむ。