厚岸草をとりに。


週末は、ありがたいことにいいお天気だったので、
近くの海岸まで厚岸草をとりに行ってきました。





厚岸草…と書いてしまうと、日本では絶滅寸前の、
かつては美しく水際に広がっていた網走の厚岸草が瞼に浮かんで
ちょっと悲しくなってしまうのですが
英語ではサンファイア。



主に海岸線に生える肉厚の草で、
塩気があるので、魚介料理に添えて食べたりするのです。



えーと、前にも書きましたが、実は英国でも、
野生の植物をとって食べることは、法律で禁じられて…(以下略)。



すみません。ちょっとだけです、ほんとに。





久しぶりに出る海岸線は、高い木もなく、
季節の草と野花が豊かに風に揺れていて、
思いっきり両腕を延ばして日にあたっていたいような
夏らしい、爽やかな空気にあふれています。





なんだかアイルランドの、西クレアの海岸線に戻ってきたような、
ああやっぱり、地理的にはこの両国、近いんだなあと
ふと嬉しく感じるような景色ですよね。



ただ、ふっと目を転じて「ああっ違う!」と思うのは…





海の色。
真っ茶色ではないですかい。(- -;)



マーティンの解説によると、
この辺は海と言っても、もう河口に近く、
しかもそれが遠浅でずっと続いているので、
水の動きが底の泥を巻き上げ続けて、
全体が砂交じりになっているのだそうです。





確かに、波打ち際から約40分歩いて、
岬の突端から見る景色がこんなですから、
なるほど遠浅なのかもしれません。



工場排水や生活排水で汚れているのではないだけ、
まだまし、と思ったほうがいいんでしょうかね。
(って、排水が混ざっていないという保証は、どこにもないけど!)



さて、そんなお散歩コースの岬全体に、
生えていました厚岸草。





ふんだんに、しかもあっちこっちに!



耐塩性が強いせいか、岬の突端でもぜんぜんへっちゃらで、
わさわさと雑草のように群生しています。



これきっと、日本の厚岸草とは
似てるけど違う種類の草なんでしょうね。
なんか、見るからに強そうだし。(^^;)
草の形も、どちらかというと、
岩の上に生えている海藻、といったたたずまい。





実はこの厚岸草、
WCSSが行われるM村の近くにも生えているところがあって、
島町にいるころは、時々とりに行っては、ありがたく食していたので
(アイルランドでは野生の植物をとっても大丈夫なのです。)
なんだかなつかしいというか、
私にとっては西国を思い出させる味なのです。



ただ、ここの厚岸草とは、やはり見た目がちょっと違いました。



2人で食べる分だけいただいて、
ありがたく海岸を後にしました。



これはどんな味かなー。楽しみ!