ポールの話。



ポールは、以前はロンドンに住んでいて
今は河原町に住んでいるという、フィドル弾きです。



フィドル歴40年。東クレアの音楽が好きで、
夏休みはフィークルやタラに出向いてフィドルの練習をするという、
とてもストイックでインテリジェントな紳士。



河原町のアイルランド音楽セッション・シーンには、
掃いて捨てるほどフィドルがいますが、
その、本当に掃いて捨てるしか使い道がないような
どうしようもないフィドル集団の中にあって(失礼。でも本当)



このポールと、
もう一人、西クレア・スタイルのギャヴィン、
この2人だけは、島町で「フィドラー」と紹介しても
恥ずかしくないだけの立派なフィドル奏者です。



今回のWCSSのケイリーでも、
ポール、実はタラCBと一緒に演奏していたんですよ。





自分のスタイル、音楽の芯とでもいうものを、きちんと持っている、
河原町でも尊敬できるフィドル・プレイヤーです。




さて、そのポールが、
WCSSから3週間、ドラムシャンボウのフェスまでずっと
アイルランド各地で音楽を堪能して帰ってきました。
帰ってきてから聞かせてくれた話によると……



「実はドラムシャンボウで、ケイリーに参加してみたんだけど、
 そこで日本人の女の子に会ったよ。
 カップルでセットを踊ったんだ。
 名前は忘れちゃったけど、ヒロコのことを知っていると言っていた。



 彼女はとても小さくて細くて、ショートカットで、
 とても短いスカートに、ニーソックスを履いていた。
 すごくセットダンスに熱心で、
 休憩なんか一度も取らずにセットを踊りまくっていたんだ。



 でも、一度カップルで踊ってみて、
 僕のことはダンサーとしてはひどすぎると思ったんだろうね。
 次のセットにも誘ったけど、うまく逃げられてしまった。
 それからそのケイリーが終わるまで、
 彼女は二度と一緒に踊ってくれなかったよ。はっはっは。」




もう、セッションそっちのけで、みんなで大笑い。
確かにポールは、チューンのことはよく知っているけれど
ダンスのことはほとんど知りません。
それでもケイリーに参加したなんて、
きっと本当にドラムシャンボウが楽しかったんでしょうね。



そんなわけでナマちゃん、(笑)
ポールにはあなたがたいへん良いダンサーで、
かつすばらしいパイパーだということは
ちゃんと話しておきました。



でも、ポールもとても良いフィドラーだよ。
今度はぜひ楽器のほうで共演してみてください。