CDラウンチに行ってきました。そのに。

さて7月です。



7月の第1週といえば、クレアではもう、良くも悪くも
ウイリー・クランシー・サマー・スクール(WCSS)を抜きにして
過ごすことはできません。



私自身は、相変わらず、
大きなフェスティバルには興味がないままですが、
WCSSだけは、日本から毎年来る友人たちがいることと、
とにかく洗濯機のようにぽんと放り込まれただけで、
何も計画していなくても楽しむことができる、
という2点に惹かれて、
ついついミルタウン・マルベイ周辺に寄ってきてしまいます。




そんなWCSSの実質的オープニングにあたる2日(金)の晩、
ミルタウンの南に位置する伝説的なパブ"Crosses of Annagh"で
もうひとつのCDラウンチがあったので、行ってきました。



今回は、うら若きコンサーティーナ奏者エデル・フォックスの
初のソロ・アルバム、"Chords and Beryls"です。





エデルは、先週CDをリリースしたヒュー&ブラッキーとも
とても仲のよい友だちなのですが
音楽的な傾向はあまり似通っていません。



私にとってのエデルのイメージは、
まずなんといっても「ありえないくらい正確な奏法」。
どんな細かい装飾も、複雑なコードも弾きにくい音階も、
妥協なしにきっちりとこなす姿勢が、徹底しているのです。
リズムもものすごく正確だし、
音も切れ味がよくて、よく鳴るし伸びる。



コンサーティーナ・カウンティと言われるだけあって、
うまいコンサーティーナ奏者には不自由しないクレアの中でも
彼女がトップ奏者といわれる場所に、
いつも必ず位置づけられるのは
やはり理由のあることなのだなあと思うのです。





ステージで演奏中だというのに、パブ中の人に気を使って
いつも笑いかけたり、冗談を言ったりしていました。
カメラを向けたら、演奏の手は止めずに、このカメラ目線。
さっすがー。



エデルの演奏を聞いていてもうひとつ感じることは、
この人は、出る杭として打たれることも、
影で批判されるかもしれないことも、ぜんぶ含めて、
それでもトップ奏者として生きていくことを、もう決めたのだな、
ということ。



これだけうまいのに、きっと練習量も半端じゃないだろうし、
勉強もしてるんだろうな、すごいなー…と、
しみじみ感じてしまうのでした。



まあ、ごらんの通り本人は、あくまで気さくな
かわいい女の子なんですけどね。




ステージの後半は、
10代にしてWCSSの講師をやっているフィドラーのタラ・ブリーンや
シャン・ノース・ダンサーのスザーンが飛び入りで参加して
華やいだ雰囲気を添えました。





彼女も、WCSSのステージで毎年弾いています。
ぜひご一聴ください!