祭のあと。




WCSSがすべて終わった月曜日には、
毎年M村で、とてもいいセッションがある。



WCSSに、中心的に関わってきた
脂の載った中堅どころの名だたるミュージシャンたちが
無事に終わった祭の締めに、ゆっくりと音楽を楽しむ時間。



今年は、その月曜日と、続く火曜日、
私個人にとって、本当に幸運なことに
とてもとても大切な時間を持つことができた。



心底尊敬する、大好きなミュージシャンと
明け方の4時までじっくりと、差し向かいで話ができたのだ。





アイルランドのこと、音楽のこと。
日本での「アイルランドの音楽」の状況。
英国での状況。アメリカでの状況。ドイツやフランスでの状況。



そして自分たちのこと。
彼がかつて、音楽に真剣に向き合うようになっていった日々。
幸福な時代。



自分たちがいま、やらなければいけないと思うこと。




話の内容は、
ちょっと個人的に思い入れがありすぎるのと、
どの一言も大切で、とてもひとつの話題なんて選べないのと
あとちょっとお互い本音で話しすぎたのとで(←いやいや)
さすがにここに書けません。すみません。A^^;



でも、ある意味本当に、じっくりと実のある話をした。



ずっと長いこと、もっといろいろ話を聞きたい、
誰かからのまた聞きじゃなく、
本や記事を読むのではなく、
自分の体験として、自分の言葉で、目を見ながら話したいと
願い続けてきたミュージシャンだったから
思いもかけず機会に恵まれて、本当に驚いたし、
本当にうれしかった。



しかも「明日もこのパブでやるから、また来い」
なんて誘ってもらって、2夜連続!





これは、とても個人的なことだけれど、
というか、たぶん、とても個人的なことだからこそ、
私にとってとても大きな出来事だった。



キルフェノーラのステージに載せてもらったときの高揚感より、
ずっと深くて、ずっと奥まで響くような、
考え方が根本から変わっていくような
静かな、でもとても確かなインパクトを与えられたと思う。



ま、キルフェノーラも確かに、
どっちも大事な夜だったけどさ!! (^^);;;;



でも、こうして一か月経って
今の私により深く残っているのはどっち、と考えたら
間違いなくこの対話のほうだ。





たくさんのことを学んだし、目を見開かされたし、
何より、気持ちがすごく楽になった。



ああ、そういうことだったのか。
こんな風に考えていけばいいのか。



そういう光を見つけられたことは、本当に大きい。
今でも時々目を閉じて、この時と同じずーん……という響きが
まだ自分の中に残っているかどうか確認する。本当に。



この人のような音に、少しずつ近づいていけたらいいな。



なんだか、謎のような日記になってしまってすみません。
でも、書いておきたかったのだ。
忘れられない夜だったから。