バレン秋色。




10月に入ったバレンは、すっかり秋の色。




やっぱりアイルランドは、英国よりかなり寒くて
冬の訪れもずっと早い、と体の芯で感じました。



あ、もちろん、
スコットランドの上の方とかに住んでいる方にしてみたら、
きっとずいぶん印象も変わるんでしょうけれど…。



冬が長い国の秋って、どこも一瞬で
しかもその短い秋の間
空気の透明度がぐっと高くなりますよね。






今回は、やっぱりとても忙しかったにも関わらず
ゆかさんがバレン散策の時間を作ってくれて
それが本当にありがたかった。





バレンって、もともと不思議な磁場があるというか、
ここは特別な場所、っていう空気があるんだけど
シャーマンゆかさんと一緒にいると、さらにね。
不思議の扉がもう一枚開くというか。



忙しかったのに、ありがとうゆかさん。





ゆかさんの助けもあって、
今回バレンから帰ってきてから
ずいぶん気持ちが落ち着きました。



ようやく、というべきか。(^^;)



そりゃあ人生いろいろあるけれど、
とりあえず足元をちゃんと見て
しばらくは河原町で丁寧に暮らしてみようね。
みたいな感じの気持ちになった。



毎日を大事に。だよね。






そんな中、360度の空いっぱい、
地上の草木すらすべてピンクに染めて
暮れて行った宿坊の夕方。





長年お世話になったアイルランドに、
アイルランドにいる大事なひとたちに、
あらためて、ありがとう。

西に陽が沈む。


今日も見事な夕焼け。





河原町郊外の丘の上に建っているこの家からは
太陽の沈む位置が、夏至から冬至にかけて
地平線上を南から北へ移動していくのが
まるでプラネタリウムのようによく見えます。



ちょうどこのくらいの時期には、
ほぼ真西に沈む(はず)なのですが
改めて見ると、日没ポイントも
ずいぶん北に動いちゃったなあという感じ。



空全体を覆う夕焼けは、でも、
今日もとてもきれいでした。





週末は、またクレアに帰っていました。
今回もゆかさんちにお世話になったのだけれど
「えーっ、また来るのー!?」って
ゆかさんにもデイヴにも笑われた。A^^;



ごめんねたくさん世話をかけて……。
でも帰るのです。
なぜならそれが私には必要だから。p(~~)
お世話になる皆様、本当に申し訳ありません!(笑)



写真、またアップさせていただきます。
とりあえず今日はおやすみなさい。zzz。

ケイリー・バンドに入りました。



以前からちょくちょく
ゲストという形で演奏させてもらってはいたのだけれど
河原町に引っ越してきたのを機に、
正規のメンバーとして活動していくことになりましたです。



その名も「ポルカ・ペスツ」。(笑)



ペストはもともと「害虫」とか「病原菌」だけれど
派生して「厄介者、邪魔者、迷惑なヤツ」という意味もあります。
どんな状況でもポルカばっか弾き続けて
厄介者扱いされるバンドなんだな。きっと。(^o^;)





バンドに入ったのなんて、なつかしパディ・フィールド以来。
フィールダーズのみなさん、お元気でしょうか。



まあこのポルカ・ペスツは、
一応ケイリー・バンドというスタンスなので、
ケイリーのためにしか集合しないのですが



それでもなんというか、「仲間」という感覚は、
久しぶりになんだか新鮮で、
気持ちがちょっとあったかくなります。



思えばずいぶん長いこと、
自分ひとりの考えで音楽をやってきたから、
いいタイミングにこういう機会を与えてもらえて
今回もまたたいへんラッキーでした。






「なんかもっとロックンロールなポーズとってよ!」と
カメラ係に言われて撮った写真が、これ。
会場暗いから、ぜんぜんブレブレでダメな写真ですね。A^^;



ギターのピート(左端のピンクのシャツ)は、
実はプロのジャズ・ギタリスト。
普段はジャズ・ハウスで弾いたり、ジャズ・ギターを教えたりして
セッションに来ることはありませんが
音楽をきちんとリスペクトする、知的な紳士です。



とても上手だし、
まあもともとトラッド・ギターなんて存在しないし(笑)、
ときどきメロウなコードが入ってきて
「うおお何だこれは」と思うことはあるけれど
バンドの音としては、けっこううまいこといっています。





そしてフィドルのギャヴィン。
彼は、前にも書いたけれど、
河原町でいちばん信頼できるフィドラーで、
引っ越して来てから、いちばんよく一緒に演奏しています。



というか、彼がいなかったら、
河原町のアイルランド音楽シーンの中でやっていくことは
私にはできなかったかもしれない。



トラッドに対する考え方や、曲の好み、リズム、音色、
そういうものが全部ぴたりと合う、得難いフィドラー。



よくジョークとかも言うし、やんちゃなんだけど
周りを引き込む演奏の素晴らしさと
のびやかなフィドル、トーンの優しさは天下一品で
彼は私に、アコの吉田兄者を思い起こさせます。



彼については、これからも追々
ここに書いていくことになるかと思う。





そしてリーダーのフィル。バンジョー&フィドル。
彼も、若いころ10年近く南アイルランドに滞在し、
ジョニー・Oと一緒に長く演奏していたという
筋金入りのトラッド・ミュージシャンです。



持っている曲数がとにかく多いし、
それを次々に思い出せる明晰さにもびっくり。



私をバンドに誘ってくれたのもこの人だし、
人柄的にも人望が厚く、音楽的にも懐が深いので
私はちょうど、アカザワ師匠と同じようなスタンスで
「師匠」と呼ばせてもらっているのですが



フィルはいつも
「おいおい、やめてくれよスター・ウォーズじゃないんだから」
と照れて嫌がります。
それがまたいい。(笑)



いかにもケイリー・バンドのリーダーという感じのフィルは、
セットの合間にマイクを通してジョークを飛ばし、
ダンサーにもバンドのメンバーにもさりげなく気を遣い、
ケイリー全体を盛り上げてくれる
エンターテイナーでもあるのでした。





河原町のセットダンス愛好会は
地理的な関係なのか、ケリー出身のアイルランド人が多く、
ケリーを中心とした南アイルランドのセットがよく踊られます。



シュリーブ・ルクラ、ノース・ケリー、ウェスト・ケリー、
そしてみんなが「カシェル」と発音するキャッスル・セット。
ケイリーの締めはもちろんバリボニ。
「次はクレア・ランサーズ!」とコールしても
ぱらぱらとしか人が集まらなかったりする、この驚き。(@ @);;;



なので、演奏する曲目もとにかく、
ポルカ、スライド、ポルカ、スライド、ポルカ、ポルカ、ポルカ。



実に新しい体験をしているなあと思います。



ウェスト・ケリーなんかは、踊ってみてもちょっと面白かったし。
聴いたこともないようなポルカをぶっつけで次々弾いて、
ああーしばらくは曲拾いをしなければ……なんて思ったり。



西クレアにいながら、
私に数々のポルカを仕込んでくれたジャッキーに
いまさらながら感謝。



でももっと覚えなきゃ。f^^;
楽しんでいきたいと思います。

北インドのチキン・カレー。のはずが。

先日、マーティンが仕事の帰り、
閉店前のスーパーで値下げ品の鶏もも肉を買ってきました。



骨付きのもも肉、4個で80ペンスは、確かに安い。
しかもオーガニック!
なにこれ、500グラムで1ポンドもしないなんて、
何かの間違いでは?と思ったら
賞味期限が今日、という代物でした。



しかも、彼が買ってきたのは2パック。
今日って、あと4時間くらいしか残ってないんですけど。A^^;



「大丈夫、今日の分はオーブンでローストしてさ、
 明日の分はカレー作ればいいじゃん。
 色も変わってないし、賞味期限なんか関係ないよ。」



確かに、と納得して
急遽その日のお夕飯はローストチキン中華だれ添え、
翌日はチキンカレーの本場、北インドのカレーを作りました。





ところが、レシピをちらちら見ながら料理している途中、
一通り野菜をいためて
15種類くらいあるスパイスをぱっぱと振り入れて、
何気なく味見をしてみたら、めつさ辛い!!!
舌にびりびりっと電流が走るくらい辛いのです。



ええっ、なんで!? 
と、慌てて使ったスパイスの残量をチェック。



そして、耳かきの先ほどでいいはずのカイエン・ペパーを
5グラム近く投入していたことに気付いたのでした。



どえええええええ。



あまり集中しないで、ぼおっと料理していたからですねー。
何かと取り違えたんだな。何と、かはもうわからないけど。



しかしそれにしても。よりによってカイエン・ペパー。
スコヴィル値で10万くらいだったかな。
……どうしよう、これ……。






そこから激辛カレーにヨーグルトを入れ、
チョコレートとホワイト・チョコレート、
バナナ、はちみつ、りんご、
英国では絶対にカレーに入れないじゃがいも、
最終的には北インド・カレーの範疇を超えた
ココナッツ・ミルクまで混ぜ込み、



さらにバスマティ・ライスには
アーモンドやマッシュルームを炊き込んで甘味を足して



電流カレーはようやく、
「かなり辛いけどなんとか食べられる」程度の
ちょっとマレーシア風ちょっとタイ風の、
なんちゃって北インド・チキンカレー(ただし激辛)になりました。



やばかったわー。
じゃがいもを入れろと教えてくれたマーティン、ありがとう。
それでも食べていると、2人とも汗まみれになったけど。






残ったカレーを2晩寝かせて、
昨日のお昼に食べてみたら
(とても2日連続では食べられなかったので)



相変わらず激辛だけど、複雑に甘味と隠し味の効いた
絶妙にうまいカレーになっておりました。



カレーで失敗したの、久しぶりでしたわ。A^^;

冬支度。

お彼岸を過ぎたら、
一気に雨と寒さがやってきました。





今までちょっと気を抜いていたので、
こちらもあわてて冬支度。



いちばんの大仕事は、荒れ放題の庭を
なんとか冬越しできるように整えることです。



新しい植物を植えて、庭を整備していく仕事は
とりあえず冬を越してから始めることに決めたので
(でないと木が霜にやられてしまうかもしれないから)



現在のミッションは、雑草たちが(少しは)弱るこの時期に
できるだけ地下茎を取り除いておくこと。



というわけで、この季節の標的は
主にヒルガオさんです。





これがまた笑えるほどいっぱいある。A^^;
しかも蔓で伸びるし、その蔓もぷちぷち切れやすくできているし、
ちょっとでも地下茎が残っていればすぐ復活するし、
強い草だなあ、としみじみ感心します。



さすが、農夫さんたちに「雑草」ではなく
「害草(ハザーダス・ウィード)」と呼ばれるだけのことはあるな。



そのぶん、地下茎の長いのを
途中で切らずに収穫できたときの高揚感!
思わず、ダースベイダーのような
「ふぉっふぉっふぉっふぉっ」という笑いが湧いてきます。



これが楽しい、今なら庭で連日過ごしても楽しい。
「ガーデニング」とはよく言ったものです。
ていうか、まだガーデニングならぬ「雑草抜き」、準備段階だけど
それでもハマる人の気持ちがよくわかりました。






そんな話をしていたら、マーティンがひとつ、
「冬前に植えても大丈夫な植物」を買ってきてくれました。



庭のどこかに植えたい、と
ずいぶん前から考えていた突抜忍冬です。



すごく嬉しい!! o(^^)o



すこしずつ冬支度。
この忍冬が、どうか寒さや日照時間の短さに負けず
元気に冬を越してくれますようにーーー。



と、ますます庭仕事にいそしむ日々なのでした。

暑さ寒さも。


9月になっても晴れてます、なんて
気の抜けたことをこのブログに書いていたら、
秋分過ぎた途端に、大雨がやってきました。





河原町、いきなり洪水だし。A^^;



さすがに英国の方々も
これは覚悟していなかったようで、
ああー冬が始まるねえ、という声を
思いのほかあちこちで耳にしました。





本当に、季節は確実に進んでいきますねえ。
まあでも今回は「一歩一歩」というよりは
一夜にしてがたっと変わった、という感じでしたが。



暑さ寒さも彼岸まで。
これから長い冬が始まります。





今日のごはんは、有り合わせの野菜と鮟鱇のソテー。
アイルランドで鮟鱇のおいしさに目覚めてしまった。



マーティンは
「今度ためしに、鮟鱇で餃子作ってみようよ」
などと言っていますが、どうなることか。A^^;



一面灰色に垂れ込めた、
重く暗い空を眺めながらの夕飯でした。

河原町散策。というか彷徨。

河原町に移ってきて、早3か月。





少しずつ街に馴染んできてはいますが、
やはり、島町どころかL市に比べても大都会なので
なかなか「ここがどんな場所なのか」というのを
実感するところまで至りません。



歩いて30分で行ける距離に2時間かかったり、
バスで全然知らないところまで連れて行かれたり、
車を運転していたら曲がり損ねてアラ郊外、
なんてことが、いまだに続いています。



情けない。(- -;)




さて先日、町の中心である大きな港には辿りついたものの、
それからどの方向へ向かったらいいのか
まったくわからなくなってしまったことがありました。



シティ・センターだけあって、目標物はいっぱいあります。
港、ホテル、おしゃれなカフェやレストラン、噴水……。
ちょうどこんな彫像が立っていたので、
その足元から友だちのフリスに電話をかけました。





「ごめん、いま港に着いたところ。
 ここからどう行けばいいんだっけ?」
「港のどのへん?」とフリス。



「噴水がだーっといっぱいあるあたり。」
「いちばん近くに何がある? 
 あと、いまどっち向いて立ってるか教えて、指示するから」
「えーとね、魚とフォーク持ってる漁師さんの石像の、
 顔側の足元にいる。」
「……。」



フリスは、ちょっと考えてから的確な指示をくれて、
おかげさまで5分後には、無事彼女と会うことができました。




でも帰ってきてからマーティンにその話をしたら
「あれはネプチューン、
 ギリシア語でいうポセイドーンの石像で、
 持っているのはフォークではなく三叉の矛。
 魚ではなく退治したばかりの海の怪物。
 決して漁師ではない。」
と説教されてしまった。





こいつだったのか。
情けない。(_ _;)



まあでも、基本、きっと東京よりは小さい都会だと思うので
今後も日々精進してまいります。



模索こそ近道であれ河原町。